同じ地球でも、中心が違えば
見え方が変わる。

下の2枚の地図は、どちらも同じメルカトル図法で描かれている。右のようにグリーンランドを中心に据えると、 見慣れた世界地図とは大陸の配置も形も一変するが、描いているのは同じ地球だ。 mapshift は、この「地図の中心を選び直す」ことを軸にした 自作の地理空間エンジン AAE(Arc Algo Engine) の開発記録である。 外部の配信サービスから地図を受け取るのではなく、公開されている地理データから手元で直接生成している。

見慣れたメルカトル図法。グリニッジを中心に、経緯線は直交する格子。

中心はグリニッジ(0°, 0°)。経緯線は直交する。

グリーンランドを中心に据えたメルカトル図法。経緯線が湾曲し、通常の世界地図とは大陸の配置が大きく異なる。

投影の計算式は変えていない。地球の向き(球面回転)だけが変わった。

動かすと、こう見える

グリニッジからマドリードへ、さらに北極の近くを回って東京へ。中心が動くと、同じメルカトル図法の世界がどう変わるか(52 秒・無音・字幕つき)。

衛星画像(NASA Blue Marble)を基図に、マドリードから 2,000 km ごとの等距離円と 4 路線の大圏航路と等角航路を重ね、地図の中心だけを動かしている。 地球上では正円である等距離円が、地図上では中心の移動にともなって大きく形を変える。 無音・日本語 / 英語字幕(YouTube の字幕ボタンで表示)/ 衛星画像: NASA Blue Marble / 空港の位置: Natural Earth
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「どこが中心か」は、地球の性質ではない

どちらも同じ地球である。左は見慣れたメルカトル図法、右は日本を中心に据えた正距方位図法。

グリニッジ中心のメルカトル図法。経線と緯線が直交する格子になっている。
経線と緯線が直交する格子。北が上で、中央はグリニッジ。
日本を中心とした正距方位図法。同心円状の経緯線が広がり、外周が地球の裏側にあたる。
中心からの同心円がそのまま日本からの距離になる。外周は地球の裏側。

「北が上・中央がグリニッジ」という配置は人間の取り決めであって、地球そのものの性質ではない。中心を自在に選び直せるようにすると、普段意識しないその取り決めが見えてくる。

何をするものか

完成した地図を配信サービスから受け取らず、公開地理データから手元で計算・描画する。

任意中心Arbitrary center 地球上のどの地点でも地図の中心に据えられる。中心の付け替えは、投影前に球面そのものを回転させることで行う。
20 の投影法Projections 中心と投影法は独立に選べる。同じ中間表現から、座標の対応表(LUT)を作り直すだけで図法が切り替わる。
重ねるLayers 海岸線・行政界・河川、OpenStreetMap、国土地理院や欧州の公的タイル、海流や気象のラスタ、そして 5 軸の観測点(航空機・船舶・地上局・衛星・サイバーイベント)を重ね合わせる。
オフラインOffline 描画時に外部サーバーへ問い合わせない。地図は手元でレンダリングし、タイルも一度取得してローカルに置く。商用の地図配信サービスには依存しない。

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